借金減額診断は借金を減額できるかどうかがわかる便利なツールです。
一方で「借金減額診断の結果と実際の減額された金額が違う。」という不満や、「借金減額診断を提供しているのは悪徳業者の可能性もある。」と不信感を持つ声もあります。
確かに借金減額診断では正確な算定は難しく、詐欺・勧誘目的で悪用されている事実も否定はできません。
しかし、借金減額診断は借金で悩んでいる方々にとって、借金問題を解決する第一歩となるツールといえます。
そこで今回は借金減額診断の有効性や、利用するときに注意しなければいけない点を解説していきます。
借金減額診断(借金減額シミュレーター)とは
借金減額診断とは、インターネット上で自分の借金がどれくらい減らせるのかを把握する無料診断ツールです。
診断ツールは借金の返済で困っている人や、債務整理を検討している人が主に利用します。
診断を受けるときはサイト内に用意された簡単な質問へ回答し、借金額・期間等の情報を入力するのが一般的です。
入力後、診断結果はすぐに判明し、借金減額の見込みがあるのか、任意整理や個人再生、自己破産が可能か否かも把握できます。
借金減額診断は、スマートフォンやパソコンからいつでも気軽に利用できるので、借金を抱える方々にとって便利なツールといえるでしょう。
借金減額診断は詐欺や怪しいと言われる理由
借金減額診断は便利であるものの、借金を抱える方々の中には診断ツールへ不信感を持つ人がいます。
確かに「診断で大幅な減額できるという結果が出たのに、実際はそんなに減額されなかった。」と、不満を持つ利用者は少なくありません。
しかし、借金減額診断を提供しているのは、基本的に弁護士事務所や司法書士事務所です。
借金減額診断は、決して詐欺を働くために用意されている診断ツールではありません。
借金減額診断そのものが怪しい診断ツールなのではなく、誤解を生みやすい2つの理由があるのです。
必ず借金が減額できるわけではないから
借金減額診断で減額されるという結果が出ても、必ず減額を実現できるわけではありません。
借金減額診断は利用者の基本的な情報をもとに、簡易な診断結果を表示するツールです。
つまり、減額の目安を表示するだけで、各利用者の詳細な事情を加味し、正確な診断結果を出せる機能は有していません。
そのため、診断結果と実際に減額できる金額とが、大きく乖離してしまう場合も多いので注意しましょう。
借金の減額を確認する手順としては、まず借金減額診断で減額の可能性の有無を確認後、弁護士等と面談したうえで、正確な算定に進むという流れとなります。
悪徳業者や詐欺サイトの存在
正規の弁護士事務所や司法書士事務所を装う悪徳業者が、詐欺・勧誘目的で借金減額診断を悪用している場合があります。
次のような不審な点があれば、借金減額診断の使用を控えましょう。
- 借金減額診断だけがサイトに掲示されていて、診断サービスを提供している弁護士事務所名や司法書士事務所名が明記されていない
- 借金減額診断が有料である
- 借金減額診断を利用するとき、氏名・住所・電話番号・家族構成等を詳しく入力するよう要求している
- サイトの内容をみると、「確実に借金を0円にします!」等の過度な表現が目立つ
悪徳業者とのトラブルを避けるには、診断前にサイトの運営元や、債務整理に関する実績を確認しておく必要があります。
借金減額診断の仕組みやからくり
「なぜ借金減額診断を無料で利用できるのだろう?」と、疑問に感じる方々は多いことでしょう。
弁護士事務所等が借金減額診断を提供しているのは、以後の借金に関する相談へつなげるための手段として利用しているからです。
借金減額診断だけを利用しても、借金減額の目安が表示されるだけで、正確な減額の算定はできず、ましてや借金問題が解消するわけではありません。
一方、借金減額診断を提供している事務所側からすれば、各利用者の借金総額や借入件数、返済の状況等を把握できます。
また、当該診断を通し利用者に、「借金減額のための方法を専門家に相談したい。」という感情を抱かせ、集客につなげたいという狙いもあるのです。
借金減額診断は利用者に関する情報収集や、集客・営業のためのツールとしての役割を担っています。
簡単な質問で減額の可能性を判定し営業につなげるためのツール
借金減額診断は、弁護士事務所等が営業につなげるためのツールとして利用されています。
診断のときに入力する内容は主に借金総額や借入件数をはじめ、借金の期間、収入状況等です。
回答した内容は、弁護士や司法書士が利用者にアプローチをするときの参考資料となります。
つまり、借金減額診断は弁護士等への情報提供の意味合いがあるのです。
診断後、弁護士等からメールや電話がくる場合もあります。
連絡が来たらヒアリングを受けて、利用者が希望すれば、正式な借金に関する法律相談へとつながります。
法律相談後、弁護士等から正確な借金減額の算定や、減額または免除のための債務整理に関する説明を受けることでしょう。
弁護士等を通し、借金問題の解決を図りたいならば委任契約を締結し、債務整理の手続きを開始します。
借金減額診断に必要な情報
借金減額診断を利用するときは、簡単な借金に関する質問へ回答する形で入力していくケースが一般的です。
回答するときは、提示された選択肢(4択の中から1つを選ぶ等)から、利用者本人の状況に近いものを選ぶ場合が多いです。
入力する項目は基本的に次の通りとなります。
- 現在の借金の合計金額はいくらですか?(借金総額)
- 現在何社ぐらいから借金をしていますか?(借入件数)
- 最初に借金したのはいつですか?(借入期間)
- 毎月の返済額はいくらですか?(返済金額)
一通り質問された項目に回答したら、個人情報の入力を求められます。
主に、住んでいる都道府県の他、年齢・氏名(匿名でよい場合もある)・電話番号・メールアドレス等が対象です。
借金減額診断後の流れ
借金減額診断を利用後、弁護士や司法書士に相談したいときは、次のような手順で進めていきます。
- 診断結果で借金減額の目安を把握する
- 借金減額診断を利用した弁護士事務所や司法書士事務所に、借金に関する法律相談をするか否か検討する(弁護士や司法書士から連絡が来る場合もある)
- 法律相談を希望するなら、事務所に面談の予約をする
- 相談までに改めて借金総額や借入先、利息(年率)、返済の遅延や延滞の有無等を確認しておく
- 面談の当日、借金に関する内容を弁護士等へ伝える
- 弁護士等が正確に借金減額を算定、相談者の状況や希望も踏まえ最適な債務整理を提案
- 相談者が弁護士等の説明を受け、納得のうえで借金問題の解消を任せたいときは、委任契約を締結する
- 弁護士等は債権者(消費者金融等)に受任通知を送付
- 債務整理の手続きを開始する
各弁護士事務所・司法書士事務所では、面談の他に無料の電話相談やLINE相談を受け付けている場合もあります。
診断後、弁護士等に借金の無料相談をするだけでも構いません。
借金減額診断を受けたからといって、無理に委任契約を結ぶよう勧誘されるわけではないので安心してください。
借金減額診断のデメリット
借金減額診断は減額の目安を把握するために便利なツールといえます。
その一方で、診断の前に利用者が知っておかなければいけない注意点はいくつかあります。
借金減額診断は弁護士事務所・司法書士事務所が提供しているので、悪質な勧誘は行われません。
ただし、診断後に起こり得る事態を考慮しておかないと、利用者側が困惑してしまう場合もあるでしょう。
そのため、借金減額診断の限界や、減額診断を提供した事務所側からどのような営業が予想されるのか、十分に把握しておく必要があります。
弁護士事務所から電話がかかってくる
借金減額診断を提供している弁護士事務所や司法書士事務所から連絡がくるケースもあります。
連絡内容は、弁護士等からの相談の案内と状況確認が中心となるでしょう。
電話がかかってきたときに、対応する時間がない場合や、借金減額診断だけを試してみたかった場合は、応じなくても構いません。
「いきなり事務所側から連絡がかかってくるなんて想定外だ。」と慌てず、冷静に対応しましょう。
一方、弁護士事務所等からメールで連絡がくるときもあります。
メールの場合は気の向いたときに返信できるので、よく考えてから、自分の都合に合わせて弁護士等と相談したい旨を伝えられます。
診断結果通りに減額できないケースもある
必ずしも診断結果通り借金が減額できるわけでなない点に注意しましょう。
無料である借金減額診断は、入力する項目が限定されており、診断結果も目安に過ぎません。
診断結果後、弁護士等に借金の状況を詳しく伝えたうえで、借金の減額が可能か、可能ならばどれくらい減額できるのかを算定します。
そのため、「診断結果通りに借金の減額を行うのは困難。」と、弁護士等から指摘されるケースもあるでしょう。
一方、借金減額診断結果と、弁護士等の見解がほぼ同じだったとしても安心はできません。
たとえば借金が0円となる自己破産のケースを考えてみましょう。
借金が全額免除される「自己破産」は、債務者(借金をした人)に目ぼしい資産がなく、今後の返済も難しいときに裁判所から認められる債務整理法です。
ただし、資産がなくとも、債務者は十分に返済していけると裁判所から判断されると、自己破産は認められません。
借金減額診断や弁護士の算定から自己破産が可能と判断されていても、その通りに借金問題を解決できない場合はあります。
営業がしつこい場合もある
借金減額診断を提供している弁護士事務所等から、しつこい営業を受ける可能性があります。
営業の電話だけではなく、メールやLINEから連絡を求めてくる場合もあるでしょう。
これ以上営業の連絡を受けたくないときは、明確に断る必要があります。
それでも連絡がくるならば電話を通信拒否に設定し、メールやLINEの場合はブロックして対応します。
なお、利用前にしつこい営業を予測し、診断のときには自分のスマートフォンの電話番号やメールだけを入力した方がよいでしょう。
なぜなら、固定電話や家族共有のメール等を開示すると、事務所側の連絡を自分以外の誰かが受け取り、事情がわからず困惑する可能性もあるからです。
借金減額診断のメリット
借金減額診断の利用は気を付ける点があるものの、利用者にとってメリットも多いです。
借金に悩んでいる人であれば、無料かつ匿名で気軽に利用できます。
診断結果を確認すれば、借金減額に希望が持てることでしょう。
また、弁護士や司法書士のような債務整理の専門家に相談したいとき、スムーズに話し合いの機会が得られます。
匿名で利用できる
借金減額診断は匿名で利用できるケースがあります。
借金減額診断を提供する弁護士事務所等の中には、メールアドレスや電話番号の明記は必要であるものの、匿名で利用でき、住所も明記しなくてよい場合が多いです。
弁護士事務所等のサイトで借金減額診断が用意されていても、「自分の借金の状況を誰がみるのか不安だ。」と感じている人は、プライバシーが守られるので安心です。
信頼のおける弁護士等であるかを確認できてから、自分の氏名や住所を開示したいならば、匿名で利用可能な借金減額診断を選びましょう。
借金が減額されるか、おおよその目安がわかる
借金減額診断で、迅速にどのくらい借金を減額できるか目安がわかります。
たとえば診断結果によって、次の債務整理法が可能と判断できます。
- 借金は0円になる可能性がある→自己破産
- 借金を減額できる可能性がある→個人再生・任意整理
ただし、自己破産や個人再生、任意整理の手続きを進めるには、一定の条件を満たす必要があります。
いずれも自分一人だけで進めていくのは困難な債務整理法といえるでしょう。
得られた診断結果は、希望する債務整理法が利用できるのかどうかや、弁護士等に相談した方がよいかを考える材料となります。
弁護士や司法書士との相談に移行できる
借金減額診断を利用すれば、弁護士や司法書士と直接相談できるチャンスが得られます。
診断後に弁護士等から連絡がくる場合もあるので、タイミングがよければ、すぐに面談ができることでしょう。
詳しい借金の状況を弁護士等に伝えれば、有益な借金問題の解決方法を得られる可能性もあります。
また、相談してみて「この人物に債務整理のサポートを依頼したい。」と感じたら、そのまま委任契約を締結しても構いません。
無理に委任契約を結ぶ必要はないものの、弁護士等が代理人となれば頼もしい味方となることでしょう。
借金減額診断ができる債務整理に強い弁護士事務所
債務整理に強い弁護士や司法書士へ、相談・依頼をしたい方々は多いことでしょう。
身近に債務整理を相談できる専門家がいないならば、インターネットを利用し、債務整理に実績豊富な事務所を探していきます。
弁護士事務所等のサイト上で債務整理に関する具体的な実績が掲載されている、債務整理の話題が豊富に載せられているなら、債務整理に強い事務所と判断できます。
こちらでは債務整理に強い3つの弁護士事務所等を紹介しましょう。
弁護士法人響
弁護士法人響では無料・匿名OKの減額相談ツールを用意している他、サイト内に「借金返済の相談所」も開設しています。
借金返済の相談所では、債務整理を中心とした借金の解決方法をアドバイスしています。
既に問合せ・相談実績は45万件を超え、何度でも相談無料のサービスを提供中です。
メールや電話でも24時間365日、借金に関する相談を受け付けています。
借金減額の診断後、詳しい相談をしたいときはいつでも問合せが可能です。
債務整理に関する記事も充実しているので、サイトを閲覧すれば債務整理の基本的な知識が身に付きます。
弁護士法人響の債務整理サポートチームに借金問題の解決を依頼すれば、初期費用が不要な他、弁護士費用は分割で支払いが可能です。
弁護士法人ユアエース
弁護士法人ユアエースは、スマートフォンで減額相談ツールを利用できるだけでなく、債務整理の依頼者にいつでも利用可能なアプリを提供しています。
依頼者専用アプリ「LeadU⁺(リードユープラス)」から24時間365日、債務整理手続きの進捗状況や、重要なお知らせを確認できます。
また、任意整理を依頼すれば、実費(郵送代・交通費)は受け取らず、面談時にかかる弁護士の日当も一切請求しません。
ユアエースは、依頼者の金銭的な負担を十分考慮した対応がとられている弁護士事務所です。
また、ユアエースではプライバシー保護の観点から、宛名・差出人名の変更を希望する場合も柔軟に対応が可能です。
発送書類の宛名・差出人名の変更を行えるので、家族に知られず債務整理を進められます。
司法書士法人みつ葉グループ
司法書士法人みつ葉グループでは、借金の減額相談ツールを利用できる他、「これで解決!債務整理」サイトも運営しています。
サイトでは債務整理の種類や特徴、利用するときの注意点等がわかりやすく紹介されています。
借金問題の解決方法を模索している方々は、債務整理に関する基本的な知識を得られることでしょう。
また、面談するときは借金問題の解決策を専門チームが提案するので、有益なアドバイスが得られます。
ただし、みつ葉グループは司法書士事務所であるため、自己破産・個人再生の申立は行えません。
自己破産・個人再生に関して、申立代理人としての対応が必要な案件(裁判手続き)ならば、提携先の弁護士が対応します。
借金減額診断でよくある質問
最後に借金減額診断でよくある質問に回答します。
本当に無料で利用できますか?
借金減額診断は無料で利用でき、後で事務所側から利用料を請求されるケースもありません。
弁護士事務所等が無料で診断ツールを提供しているのは、新規の集客や対面による法律相談、契約へつなげるための手段の一つとして利用しているからです。
そのため借金減額診断を利用後、事務所側から営業を受ける可能性はあります。
一方、借金減額診断を有料で提供しているところがあれば、悪質業者であるか否かを慎重に確認する必要があるでしょう。
なお、以後に対面での法律相談を希望した場合、弁護士事務所等によっては相談料が必要となる場合があります。
「国が認めた」とはどういうことですか?
国が債務整理に関する法律を制定した、判例等で認められているという意味です。
国が特定の診断サービスを推奨しているわけではないので注意しましょう。
債務整理がそれぞれ認められている根拠や法律の規定は次の通りです。
- 自己破産:「破産法」に規定。
- 個人再生:「民事再生法」にて小規模個人再生(同法第221条以下)、給与所得者等再生(同法第239条以下)に規定。
- 任意整理:法律で明記されてはいないものの、国の債務整理の紹介等で掲載(例:金融庁「任意整理のイメージ」)。
- 特定調停:「特定債務等の調整の促進のための特定調停に関する法律」にて規定。
- 過払い金返還請求:最高裁判所の判決(平成18年1月13日最高裁判所第二小法廷判決)で、グレーゾーン金利にあたる利息の支払いは無効と判示される。その後2010年6月18日に改正貸金業法が完全施行、出資法の金利は20%までに限定され、グレーゾーン金利は撤廃。払い過ぎたお金は返還請求が認められた。
診断後は必ず手続きを進めなければいけませんか?
借金減額診断だけで終わらせても構いません。
弁護士事務所等から営業を受けても、法律相談や委任契約まで進める必要がなければ、きっぱりと拒否しましょう。
借金減額診断を利用してから、法律相談を受けたり、契約締結をしたりするかは利用者次第です。
また、とある弁護士事務所が提供する借金減額診断だけを利用し、法律相談は別の弁護士事務所で行うという方法でも問題ありません。
借金減額診断のまとめ
借金減額診断は借金で悩んでいる方々にとって、その問題を解決する第一歩となるツールといえます。
借金減額診断は無料かつ匿名で利用できる一方、正確に借金減額の算定ができず、診断ツールの提供事務所からしつこい営業を受ける可能性もあるでしょう。
しかし、一人で悩むだけでは借金問題の解決は困難です。
まずは気軽に借金減額診断から試し、減額できる目安を確認したうえで、以後の法律相談や専門家への依頼につなげていきましょう。